「営業マンってどのくらい稼げるんだるんだろう?」「営業マンって売ればうるほど給料が上がるってホント?」売れてる営業マンの給料って、気になりますよね。「どうせ働くなら給料の高い仕事がいい! 営業マンになればいっぱい稼げるかな?」そんなふうに考えて営業マンを目指している人にとっては、給料の額は重要なポイント!
売れる営業マンは高い給料を稼いでいるイメージがありますが、実際のところ営業マンの給料は業種や年数によってかなりまちまちです。営業マンになっていっぱい稼ごうと思ったら、稼げる業界や給料のしくみを知っておく必要があります。
やっぱり営業って稼げる!? 思ったりより普通?!
今回の記事では営業職10年以上、事務職やそのほかの専門職も経験してきた筆者が、事業の種類でわけた平均の年収や、営業マンの給料の内訳、しくみを解説します。
営業マンの平均給与やしくみを知って、稼げる営業マンを目指しましょう!
営業マンの給料はいくら?
業界ごとの平均年収を一挙公開
ひと言で「営業マン」と言っても、個人を相手とする営業なのか会社を相手とする営業なのか、あつかう商品も教材から車、不動産まで、その種類は実にさまざまです。さらに、どんな種類の商品をあつかっているかという業界、業種によって、営業マンの給料にはかなり差があります。
まずは転職サイト「マイナビ転職」の調査をもとに、営業マンが稼いでいる平均の年収を業種・年代ごとにご紹介します。
業種 | 全年齢平均 | 20代平均 | 30代平均 | 40代以上平均 |
営業職全体 | 418万円 | 354万円 | 455万円 | 550万円 |
海外営業 | 507万円 | 379万円 | 515万円 | 721万円 |
医療系の営業 | 489万円 | 425万円 | 530万円 | 672万円 |
金融系の営業 | 441万円 | 371万円 | 517万円 | 641万円 |
不動産系の営業 | 431万円 | 379万円 | 480万円 | 531万円 |
ソフトウエア系の営業 | 462万円 | 375万円 | 502万円 | 603万円 |
※平均年収レポート&モデル年収ランキング|(マイナビ転職)をもとに筆者が作成
営業職全体の平均年収は、418万円。ボーナスが4ヵ月分でると考えると(2ヵ月分×2回)、月給26.1万円、賞与104万円という内訳になります。国税庁がおこなっている民間給与実態統計調査によると、平成30年に給料をもらった人の1年間の平均額は441万円です。
出典:平成30年分民間給与実態統計調査結果について(国税庁企画科)
「あれ? 営業マンの給料って思ったより高くない……」って思いませんか? (私は思いました。)
しかし、表を見るとわかるとおり、業種と年代によって大きな差があります。
業種別の平均年収(全年齢)で一番高いのは海外営業の507万円、ついで医療系営業の489万円が高くなっています。
また、年代による差も大きいです。営業職全般で40代以降と20代とを比べると、550万円ー354万円=196万円。196万円の差があります。約200万円。
同じように海外営業の40代以降と20代の給料を比べると、721万円÷379万円=1.902……と、実に約2倍もの差があるのです。
ほかの職種とも比べてみましょう。
職種 | 全年齢平均 | 20代平均 | 30代平均 | 40代以上平均 |
一般事務 | 313万円 | 289万円 | 347万円 | 396万円 |
販売職 | 311万円 | 289万円 | 368万円 | 413万円 |
※平均年収レポート&モデル年収ランキング|(マイナビ転職)をもとに筆者が作成
一般的な営業と同じように、特別な資格がなくてもチャレンジ可能といわれる一般事務や販売職の平均年収は上記のとおりです。営業職全体の給与と比べると約100万円ほど、20代の平均を比べると、約60万円ほどの違いです。営業マンだからといって飛びぬけて給料が良いという感じではないですね。ただし、年齢が上がるほどその差はひらき、40代以上の平均では150万円ほどの差となっています。
営業マンの給料は高い?
その理由はインセンティブにあり!
営業マンの給料が高いというイメージをつくっているのは「インセンティブ」という、成果を出すと給料とは別にお金がもらえるしくみがあるからではないでしょうか。インセンティブを含め、営業マンの給料の内訳としくみを解説します。
2-1基本給
月々決まった金額が支払われる、基本となる給料のことです。
「みなし残業」として、一定の残業代があらかじめ基本給に組み込まれているケースもあります。
2-2営業手当
営業活動をしている中で、自分のお金でまかなった分の経費を補てんする目的で支払われる手当です。
もちろん交通費や資料代などは会社の経費です。しかし、営業マンはスーツや靴を買ったり手入れしたりとほかの職種よりたくさんのお金がかかることがあります。そのような費用をまかなうために営業手当が支払われることがあるのです。
そのほか、みなし残業代の意味で支払われたり、クライアントへ電話をするための通信費として支払われたりするケースもあるでしょう。
2-3インセンティブ、歩合給
営業職ならではの給料の内訳の1つで、売上の成果を出すと給料とは別にお金がもらえるしくみです。インセンティブを支給する基準や計算する方法は会社によって異なりますが、下記のようなものが多くみられます。
- 契約1件につき〇円
- 売上金額の〇%
- 1ヵ月、四半期、年度ごとの売上目標を達成したら〇円
金額が高い商品をあつかう業種ほどインセンティブが高くなる傾向があります。たとえば不動産営業なら「1件契約ごとに30~100万円のインセンティブ支給!」という会社もあるほど。インセンティブが1件100万円ならもうこれだけで月給を上回ってしまいますね。
売れている営業マンの給料が高いというしくみはここにあります。
2-4賞与
毎月の給料とは別にまとまった額が支払われる特別な給料です。
賞与が支払われる月や回数、金額は会社ごとに異なりますが、6月、12月、3月(年度末)のタイミングの中で1~3回支払われるケースが一般的です。
金額も会社によって大きく異なります。たとえば、ベンチャー企業や営業会社は業績に連動して、利益のある年は賞与額が多く、利益のない年は少なくといったこともあるでしょう。
営業職の場合は、営業成績と評価に連動して賞与の額が決まることも珍しくはありません。
目標を〇%達成したら基本給の〇〇%上乗せするなど、査定する基準がはっきりしているので、個人の営業成績が良ければよいほど賞与も高い金額になるでしょう。
2-5昇給
営業の場合、基本給がどれくらいアップするかは、営業の成績をもとに査定されます。勤務年数に応じておこなわれる定期昇給とは別で、営業成績をもとにした給料の査定があるのも営業職の特徴です。
優秀な営業成績を残していれば、大きく昇給する可能性もあるでしょう。
完全歩合制の営業マンは給料が良い?
基本給はなく、仕事にかける時間や日数も関係なく、契約した件数や売り上げた金額のみで給与が決まる営業マンもいます。それが完全歩合制(フルコミッション)の営業マン。
会社に雇われるのではなく、個人で事業をおこない、会社と契約を結んで仕事をする「業務委託」というはたらき方です。完全歩合制の営業マンは場所や時間にしばられずにはたらくことができて、売上を上げればあげるほど給料(報酬)も大きくなります。
その代わり、どんなに時間と労力をかけて営業活動をしたとしても売上がゼロなら給料(報酬)もゼロ。営業活動にかかる経費も自分の負担となりますので、実質マイナスになってしまう可能性もあります。優秀な営業マンにとっては大きく稼げるチャンスですが、リスクも大きい雇用のかたちです。
トップ営業マンの給料は?
年収1,000万円も夢じゃない?
ご紹介したとおり、営業マンとして高い給料を稼ぎたいなら業界選びがとっても重要です。一般的には、不動産や車といった高い価格の商品をあつかう業種や、商社など法人を相手として高額な取引をおこなう業種、海外営業や医療系の営業など専門的な知識を必要とする業種などで給料が高い傾向があります。
売り上げる数字の単位が大きければ、そこから何十万~何百万単位の給料を払ったところで問題ありませんものね。
マイナビ転職が独自にまとめた「職種別モデル年収平均ランキング」によると、年収の上位20位に含まれる営業職は、不動産の営業が952万円、金融営業(個人営業)が918万円、営業・企画営業が(個人営業)766万円です。職種全体の金額ごとの分布では、600万円台以上は全体の約15%、400~500万円台が約80%、300万円台以下が約5%となっています。
出典:2020年版 職種別モデル年収平均ランキング|(マイナビ転職)
営業マンの給料について、業界・年代・地方ごとの平均の年収や、年収を上げる方法については、こちらの記事でもご紹介しています。平均の年収が高い業界の種類や、エリアを細かく解説し、営業マンの給料を上げる方法についても解説しています。営業マンとして高い給料を稼ぎたい人は必見の記事です!
リンク<営業マンの平均年収は高い? 平均年収やボーナスを徹底解説!>
自分の力で給料を上げていくことのできる営業職は、とっても魅力的ですね。
営業マンの給料は成績によって大きくアップできる!
営業マンの給料は業種や年齢によってかなり差があります。転職サイト「マイナビ転職」の調査によると、営業職全般の平均年収は418万円。平成30年度の平均給与は441万円なので、営業職だからといって必ずしも高いとは限らないことがわかります。
しかし、年齢別でみると20代平均が354万円に対して40代以上平均は550万円、さらに業種も加味すると海外営業の40代以上平均は721万円!業界や年齢によって給料の差が大きいと言えるでしょう。
営業マンの給料に差があるのは、営業成績に連動したインセンティブや賞与・給与の査定があるためです。インセンティブが大きな会社なら、売上を上げれば上げるほど給料も大きくアップ! トップ営業マンなら年収1,000万円も夢ではありませんよ。
執筆者:小山佐知子