「営業職がいやで辞めたい」と悩んでいませんか?
営業に向いてない・ノルマが辛いなど理由は人それぞれですが、今辞めてしまうのは甘え? もしかして後悔するかもしれないと思っていませんか?
本記事では、営業職を辞めたい理由や続けるかどうかの判断基準を解説します。
私自身、7年以上勤めた営業職を実際に辞めて起業しました。その体験談をもとに、辞めたいときの対処法もお伝えします。
この記事を読めば、今のモンモンとした気持ちが解消されてスッキリするでしょう。そして次の行動を確実に踏み出せるようになるので、ぜひ読み進めてください。
1.営業職を辞めたいときの判断基準とは?
まず営業職を辞めたいときに、図のような「正しい判断とそうでない判断」をしっかりと理解する必要があります。なぜなら間違った理由で辞めてしまうと、あなたのキャリアに傷がつくからです。また、転職先で活躍ができない可能性も高くなります。そしてあなたは、間違いなく後悔してしまうでしょう。
たとえば何も成果がないまま営業職を辞めてしまうと、転職活動で自己PRできるものがないため、あなたの選考が進みません。転職先が見つかったとしても、スキルがないため活躍できません。
営業職を辞めたい気持ちに向き合うのは大切ですが、急いで決めてはいけません。
2.営業職を辞めたいよくある理由まとめ
次に営業職を辞めたい理由を確認しましょう。あなたが今、何が原因で営業職を辞めたいと考えているか特定することが大切です。特定すると、今後どのような選択をしたらいいかわかります。
主に以下になります。
◆営業職を辞めたいよくある10の理由
・ノルマがキツイ ・お客さんとのつき合いが苦手である ・上司や同僚とウマが合わない ・営業に向いていないと感じる ・成果を出せないと会社が赤字になる重圧がある ・成果のためにお客さんにウソをつかねばならない ・とにかく売り上げで成果を判断される ・休み関係なくお客さん対応をする ・情熱のない商品を売らないといけない ・将来のキャリアが不安に感じる |
対人関係や数字への責務がメインだといえるでしょう。私は20代後半から7年以上営業職を勤めましたが、どの理由も納得できるものばかりです。
営業職を辞めたいと思う前に辛い・しんどいと感じることがあると思います。
そこでその理由や対処方法に関しては、以下の記事でくわしく説明しています。私の体験や思いをまとめた記事です。今まで誰にも話してこなかった内容になるので参考にしてください。
3.営業職を辞めたいのは甘えではない4つの理由
営業職を辞めたいと言うと、周囲から甘えだと言われてしまうと思っていませんか?
もちろん甘えであることもあるでしょう。しかしそれは理由次第であり、客観的に見て辞めた方がいい場合もあります。たとえば、以下のような理由です。
◆甘えではない4つの理由
・ストレスで身体を壊した ・会社がブラック企業だった ・営業職の適性がない ・社風がどうしても合わない |
緊急度が高い順に解説します。もしこの理由に当てはまれば、今すぐにでも辞めた方がいいでしょう。
3-1.ストレスで身体を壊した
営業職に限らず身体を壊してしまったら、真っ先に仕事をやめる(休む)ことをおすすめします。体調がよくない状態で仕事を続けても、回復することがありません。むしろ悪化してしまいます。過労や精神的なストレスで倒れてしまうと命の危険性も出てきます。
これまでは健康だったのに、以下のような症状があると、とても危険です。
◆気をつけるべき症状
・日々カゼっぽい ・頭痛がひどい ・食欲がない ・寝ても疲れが取れない ・不眠もしくは過眠になる |
まずは病院に行って、医師の診断を受けてください。そのうえで、会社を休職するなり退職するなり決めていきましょう。
3-2.会社がブラック企業だった
もしあなたの働いている会社がブラック企業であれば、今すぐに辞めてください。そのまま働き続けると、遅かれ早かれ身体を壊してしまうからです。
このような会社がブラック企業の特徴です。
◆ブラック企業の特徴
・毎日深夜まで残業している ・パワハラやモラハラをしてくる上司がいる ・退職者が異様に多い |
特に長年いるとその会社の考えに染まっていることがあるため、自分の会社がブラック企業だと判断ができないこともあります。「考えが甘い」「根性がない」ではなく、先に示した「ブラック企業の特徴」に当てはまっていない会社かどうかなど、客観的な判断をするようにしましょう。
3-3.営業職の適性がない
営業職には、何も勉強やトレーニングをしなくても成果を出せる人がいます。一方で、いくらがんばっても成果を出せない人もいます。
私の経験では、半年から1年程度チャレンジしてみて結果を出せない場合、適性がないと判断できると感じています。あわせて「この仕事を続けていけそうか?」「成果を出せていけそうか?」と自問自答してみるのもいいかもしれません。
素直に考えてNOであれば、別の仕事を考えてください。
以下の記事では、営業職の仕事内容を種類別にわかりやすく解説しています。これを読む前に営業職を辞めてはいけません! それはあなたが営業職として活躍できる場面があるかもしれないからです。
3-4.社風がどうしても合わない
営業として仕事の成果はそこそこ出しているけれど、会社の社風が合わなくて居心地が悪い・いつもストレスに感じている人もいるかもしれません。そのような場合は辞めても問題ありません。
なぜなら、社風とマッチした会社と出会うことができれば、あなたは今よりも高い成果を出せるからです。次の職場によっては営業職を辞めなくてもいいかもしれませんね。
私が営業職を辞めたのはこの理由でした。くわしくは「7.私は7年以上続けた営業職を辞めました」で後述しますが、社風については個人でどう努力しても改善ができないものなのです。
4.営業職を続けた方がいい3つの項目
一方で、営業職を続けた方がいい理由もあります。営業職を辞めたい気持ちは、私も経験していることなのでとてもよくわかります。
しかし、辞めることが正解ではない場合もあるのです。こちら3つの理由に該当するのであれば、もう少しがんばってみてはいかがでしょうか?
◆この理由であれば営業職を続けた方がいい3つの項目
・何も成果を出せていない ・営業職のよさが何もわからない ・次の転職先(仕事)が決まっていない |
なぜそのように言えるのか、以下に説明します。
4-1.何も成果を出せていない
営業職で何も成果を出せないまま辞めてしまうと、それまでせっかくがんばってきたのにその経験がまったくスキルや自信につながりません。転職するにも単なる甘えだと面接官に判断されてしまうため、転職活動がうまくいかないでしょう。
そのため、まず何かひとつでも結果を出してから辞めることをおすすめします。「目標のアポ数(商談の予約数)をクリアした」「一人で売り切るところまでやれた」など小さな成功体験でもいいので、しっかりとクリアしてください。
そうすれば、転職活動のときも自己PRができます。次の職場でも何かしらその経験が活きてくるでしょう。
4-2.営業職のよさが何もわからない
「今すぐにでも営業職を辞めたい!」という気持ちはとても共感できます。私が営業職を始めたばかりのときは、結果を出せずに上司から日々怒られていて、同じように感じていたからです。上司に言われたとおりに営業活動しても結果が出なかったため、理不尽さも感じていてネガティブな気持ちでした。
しかし今辞めても何もならないと思い、少しでも結果を出そうと先輩のアドバイスや力を求めるなど試行錯誤しました。結果として何社か成約できたため、営業職のよさややりがいを感じることができたのです。
そのため、少しでも成果を出せるようになってから辞めた方がいいのではないとかと考えています。もしそうでないと、次の職場もおもしろくないからといってすぐに辞めてしまい、キャリアに傷がついてしまいます。
営業職に限らず仕事には、おもしろさとつまらなさの両方があるものです。営業職もそういうものなんだと現状を受け入れると、変にストレスを感じることもありません。
それでも何もよいところがわからないとしたら、もしかするともう少し営業職の経験を積むと見えてくるかもしれません。ぜひ今の仕事で小さくてもいいので何か成し遂げてみてはいかがでしょうか?
以下には、営業職のやりがいと魅力ならびに、メリット・デメリットをくわしく解説しています。今のあなたに満足いただけることをお約束します。
4-3.次の転職先(仕事)が決まっていない
次の転職先や仕事が決まっていないなら、辞めない方がいいでしょう。理由は経済的・精神的に貧困になるリスクがあるからです。毎月の収入が途絶えるため、選考がスムーズに進まないと、あせって転職先を決めてしまいやすくなります。もし失業期間が長引いてしまうと、スキルが落ちたりやる気がなくなったりしてしまうでしょう。
私の場合は、副業でWebライター(ネット上の文章を書く仕事)を1年以上やっていました。収入があったため転職活動はせず、辞めるときにもあせりを一切感じませんでした。
ただし、うつや体調不良で身体を壊してしまったときには当てはまりません。すぐに会社を辞めて治療に専念してくださいね。
5.【ケース別】営業職を辞めたいときの対処方法
ここまで営業職をを辞めたいときに、チェックしてほしい判断基準についてお伝えしました。「1.営業職を辞めたいときの判断基準とは?」を参考にして、客観的に辞めるかどうか決めることが大切です。
さらにここでは、ネット上で多く検索されている女性・新卒・30代のケースにわけて説明します。
5-1.女性の場合
長時間労働で体力的にも精神的にも疲れ、弱ってしまうといった理由で敬遠されがちな営業職。特に女性は結婚や出産もあるため、家庭や育児との両立はハードです。営業職の管理者に女性が男性より少ないのは、この点から納得できると思います。
もし結婚や出産のタイミングがあれば、そこで退職するのも1つの方法。夫の稼ぎで生活できるなら、急いで次の仕事を考える必要もありません。
しかし、キャリアを積んでいきたい人もいるでしょう。
その場合、女性ならではの営業スタイルを活かしていくのがおすすめです。男性よりも女性の方が気が利くため、きめ細やかな対応をすることができます。スピード対応や気配りのできる営業をすることで、お客さんにとってなくてはならない存在になります。
このように、女性だからこそできることを選択をしていきましょう。
5-2.新卒の場合
新卒で営業職を経験して正直、向いていない・辞めたいと思っている人もいるかもしれません。しかし、一時的な感情に任せて退職するのはおすすめできません。まずは冷静に辞めたい理由を考えて「営業職を辞める判断基準」にそって決めていきましょう。
特に営業職を始めたころは、成果を出せないことがほとんどです。そのため辞めるにしても、何かしら成果を出してからにしても遅くはありません。
私が転職して初めて入った営業会社は、電話を利用して面会の約束を取得することからスタート。先輩は基本的に外出していて、社内にいたのはエンジニアと事務職と、電話で商談の予約を取っている私の数名でした。
孤独を感じながら電話をしていて、初めのうちはほとんど結果が出ませんでした。教育体制がないにも関わらず、成果を出せないことをとがめられていたため「つらくて辞めたい」と思っていました。
しかし徐々にコツをつかめてきて、商談の目標件数まで取ることができるようになりました。その会社は1年弱で辞めましたが、この経験は私の中で今でも活きています。
5-3.30代の場合
がむしゃらにがんばっていた20代のころとは違い、30代になると仕事にある程度、余裕が出てきます。そのため、営業職を続けるかどうか、他の職種で自分の可能性にチャレンジするかなど将来のことを考えるでしょう。
確実に言えることは、30代で未経験の職種への転職はハードルが高いという点です。今の仕事内容に慣れていて仕事も落ち着いているのであれば、そのまま継続するのはおすすめ。もし別の仕事をしたいなら、まずは空き時間に副業としてやってみたいことにチャレンジする方が、リスクが少なくて済みます。
また今の会社で、営業以外の仕事を希望できるのであれば、部署を異動するのもいいでしょう。転職活動は思いのほか労力がかかりますし、希望の会社から内定をもらえる保証もありません。その点、部署の異動であれば、あなたのキャリアに傷がつくこともないため安心です。
それでも転職したい場合は、あなたの経歴やスキルを洗い出す必要があります。そのうえで、他社で貢献できそうなことを自己PRしていきましょう。
こちらの記事は、営業経験7年以上ある私の体験談をもとにまとめられています。SE(システムエンジニア)から営業に転職したときの自己PRも載せていますよ。誰にも公開してこなかった貴重な内容ですので、ぜひ確認してください。
6.それでも営業職を辞めたいときに取るべき3つの方法
「1.営業職を辞めたいときの判断基準とは?」をチェックしたうえで、営業職を辞めると判断した場合、さらにくわしくお伝えしたいことがあります。
それはいきなり転職をしないということです。
まず確認することが次の2つです。
・休職する
・部署移動する
理由は、転職活動は時間も労力もかかるため、仕事をしながらおこなうのはたいへんだからです。また仮に転職できたからといっても、転職先でうまく続けられる保証はないからです。
あなたのキャリアに傷がつかないためにも、慎重に判断していきましょう。
6-1.休職する
精神科や心療内科の医療機関に行って、体調やメンタルに関する相談をしてください。医師からうつ病と診断されると診断書を会社に提出するように言われます。
すると、まともな会社であれば休職できるようになるので、しっかりと休みましょう。私の場合は、傷病手当が給料の2/3くらい支給されていたため生活はできました。
私が新卒で入ったSEの派遣会社でうつ病になったときのこと。
ほぼ毎日、終電帰りの現場。加えて、パソコンに興味のない私が一日中パソコン作業をしなければならなかったこと、興味のないことを勉強しないといけなかったことがつらいと思っていました。
それが原因で「聞いたことを覚えられない(短期記憶の機能低下)」という症状に。そこから4か月休職し、落ち着いた現場に派遣してもらい仕事ができるようになりました。
このように少しでも身体に異常に感じたら、まずは病院に行ってください。
6-2.部署異動する
会社はあなたの退職を望んでいないので、辞められるよりは部署を替えて残ってほしいと考えています。
もしあなたの会社で営業職以外の仕事があれば、上司や人事担当に相談してみてください。部署の異動であれば、数回の面談で済むため手間になりません。もし直属の上司に話しにくいのであれば、人事担当に直接話すのも問題ありません。
営業の部署であっても、役割や上司が代わるだけで、あなたの負担が変わってくるはずです。一方的に会社を辞めるのではなく、まずは相談してみてはいかがでしょうか?
6-3.転職する
以上の2つを確認したあと、ようやく「転職する」となります。ただし会社を辞めるのは、次の職場が決まってからにしましょう。あせって次の職場を決めてはいけません。
転職活動はとにかく時間がかかるため、じっくり転職先を選んだ方がいいと思います。3か月~半年の期間を見すえて活動するのがおすすめです。
内定をもらえたからといって、即決していはいけません。少なくとも以下の点は確認して、入社後のギャップをなくしましょう。
・どのようなポジションで仕事ができるか?
・どのような待遇で採用されるのか?
・どのようなキャリアを積むことができるのか?
転職に失敗しないように、慎重に転職活動をしてくださいね。
7.私は7年以上続けた営業職を辞めました
私はもともとSE(システムエンジニア)をしていましたが、営業職に転職してキャリアを積んでいきました。
くわしく説明すると、このような経歴です。
営業らしい結果を出せたのは2社目です。社内で個人部門において6回表彰されたことがあります。そのあともチームで、毎月2,000万円程度の売り上げを12か月以上つくっていました。メンバーに恵まれていたため、私だけの力だけではありませんが、このときは仕事に対してやりがいを感じていました。
しかし同時に、この仕事はずっとはできないと思っていました。理由は電話営業に飽きてしまった、自分が営業に向いているとは思っていないからという2点です。
3社目の会社については、給料面については不満はありませんが、社風がずっと合わないと感じていました。ポイント稼ぎの受注が評価される風潮で、手段を問わずに件数をつくっていくスタッフが多かったからです。後々クレームになろうがキャンセルになろうが、受注を多く上げている社員が稼げる会社なのです。
私はお客さんに迷惑をかけてまで契約を取ろうと思わないため、このような会社は働いていて気持ち悪いなと思っていました。
そのような中、5年近く副業をいくつか試行錯誤しました。その結果、Webライターで生活費は稼げるようになったため、会社を辞められるようになったのです。
副業で結果が出るまでに時間はかかりましたが、辞めずに継続して本当によかったと感じています。会社にすがらない働き方ができるのでストレスがありません。
8.営業職を辞めることは甘えでも負けでもない
営業職を辞めたいと思うことは誰しも感じるものでしょう。私のことを振り返っても、過去に何回思ったか覚えていないくらいです。このようなときにこそ、冷静になって最適な選択ができるように考えてみてください。
仮に辞める場合でも、それはあなたにとってベストな方法なため、甘えでも負けでもありません。次の道を胸をはって進んでいきましょう。