営業マンの平均年収は高い? 平均年収やボーナスを徹底解説!

営業マンとして長く働いているにも関わらず、年収がなかなか上がらなくて悩んでいませんか?

実は、営業マンの年収は、業界・年代・勤務地や会社によって大きく違うのです。筆者が新卒で入社した会社は、平均年収が高くないサービス業でした。

ただ営業マンとしてがんばった場合とがんばらなかった場合では、10年後の平均年収に200万円以上の差がつく会社でした。

この記事では、そんな悩める営業マンの方に向けて以下の内容について解説します。

各業界別・年代別・勤務地別に働く営業マンの平均年収

・営業マンの給料のしくみ

・営業マンが年収を高くする条件

この記事を読めば、営業マンの年収のしくみや年収を上げるための方法について理解できるので、営業職を続けながら年収を高くすることができます。

営業マンの平均年収を徹底解説!

転職サイトdodaが2020年に発表した平均年収ランキング最新版によると、営業職の全体の平均年収は440万円でした。

私は転職をするときに営業マンの仕事を探していたことがあります。そのとき、営業マンの平均年収は、、業界や年代・勤務地により大きく異なることを知りました。

この章では営業マンの平均年収を「各業界別」「年代別」「勤務地別」の観点からくわしく解説します。

1-1.各業界の営業マン平均年収

まずは各業界の営業マンの平均年収を「平均年収が高い業界」「平均年収が低い業界」「そのほかの業界」

の3つに分けて見ていきましょう。

営業マンの平均年収が高い業界

医薬品メーカー 659万円
MR 658万円
トイレタリー(化粧品・洗剤・医薬品など) 569万円
リース(金融) 546万円
医療機器メーカー 543万円

(データ引用元:職種別平均年収ランキング【最新版(2019年)】」(doda)をもとに筆者が作成

営業マンの平均年収が最も高い業界は、医療関係の業界、トイレタリー、リース業界です。平均年収で500万円〜600万円以上の水準ですので、成績のよい営業マンであれば、さらに年収は上がります。

医療関係の業界の平均年収が高い理由は、医療業界が人の命に関わる業界であるため、専門的な医療の知識が必要だからです。

またリース業界については、扱う商品の売上高が高いことやボーナスの金額が大きいことなどが理由として挙げられます。

営業マンの平均年収が低い業界

福祉・介護  356万円
インテリア・生活雑貨  397万円
サービス 397万円
信用金庫・組合 397万円
保険代理店 401万円

(データ引用元:職種別平均年収ランキング【最新版(2019年)】」(doda)をもとに筆者が作成

一方で営業マンの平均年収が低い業界は以上のような結果となっています。全体的に、私生活に身近な業界の平均年収が低めのようです。

特に福祉・介護の業界については、営業マン全体の平均年収である440万円と比べても440万円̠̠-356万円=84万円も低い結果ですね。

福祉・介護の業界で働く営業マンの平均年収が低い理由は、これらの業界では、事業収入のうち人件費の割合が平均で67.7%も占めているからです。

この事実は、令和元年度介護労働実態調査の介護事業収入に占める人件費の割合、派遣料金の割合(問18②)でも判明しています。

(出典:令和元年度介護労働実態調査|事業所における介護労働実態調査結果報告書(公益財団法人介護労働安定センター

そのほかの業界で働く営業マン平均年収

電子部品メーカー 525万円
証券 498万円
電機メーカー 491万円
不動産金融 486万円
総合商社 474万円
IT・通信 470万円
銀行 452万円
化学・素材メーカー 450万円
クレジット・信販 443万円
食品・消費財メーカー 435万円  
建設・不動産 430万円
インターネット・広告・メディア 430万円
専門商社 424万円
医療機器卸 424万円
住宅設備・建材メーカー 418万円
保険 406万円
小売・外食 405万円

(データ引用元:職種別平均年収ランキング【最新版(2019年)】」(doda)をもとに筆者が作成)   

そのほかの業界で働く営業マンの平均年収についても見てみましょう。注意する点は、同じメーカーや金融系の業界でも種類によって年収に大きな差があること。

たとえば、同じ金融業界を比較してみます。まずは、表の「営業マンの平均年収が高い業界」を見てください。リース業界の平均年収は546万円です。

次に表の「営業マンの平均年収が低い業界」を見てください。信用金庫・組合の平均年収は397万円です。

同じ金融業界でも、年収に546万円―397万円=149万円の差があります。

このように同じような業界でも細かく見ると年収の高い業界と低い業界に分かれる点には注意が必要です。

またそのほかの業界で働く営業マン平均年収を見ると、業界により年収が異なることがわかります。営業の仕事を探す際は、業界ごとに年収が違うことは把握しておくべきですね。

1-2.年代別の営業マン平均年収  

営業マンの平均年収は働く人の年代によって差があります。まず、営業マン全体の年代別の平均年収は以下のような結果となっています。

年代別の営業マン平均年収

20代 375万円
30代 497万円
40代 572万円
50代以上 672万円

(データ引用元:職種別平均年収ランキング【最新版(2019年)】」(doda)をもとに筆者が作成) 

20代の平均年収は375万円と営業マン全体の平均年収の440万円に及びません。しかし、40代以上の営業マンになると平均年収は572万円まで上がります。

年代が上がるにつれて、平均年収が高くなる理由としては、以下の3つが考えられます。

・勤務年数に応じて給料が増えていくから

・営業の経験が長いことで、実績も増え、インセンティブを多くもらっているから

・課長職や部長職に就いている営業職だから

次の表を見てください。

営業の業界別に各年代の年収を比べた場合、医薬品メーカーでは20代の486万円、50代の959万円で473万円も差があることがわかります。

また30代の年収を比べても、MRは706万円ですが、保険代理店は436万円と270万円の差がありますね。以上のことから、

  • 年代が高くなるほど年収は高くなる
  • 年収が高い業界と低い業界では年収に差がある

ことがわかります。

年代別の営業マン平均年収(業界)

業界 20代 30代 40代 50代以上
医薬品メーカー 486万円 673万円 862万円 959万円
MR 476万円 706万円 データなし データなし
リース(金融) 431万円 626万円 790万円 データなし
福祉・介護  328万円 380万円 405万円 データなし
保険代理店 339万円 436万円 480万円 499万円
サービス 354万円 447万円 500万円 510万円

(データ引用元:職種別平均年収ランキング【最新版(2019年)】」(doda)をもとに筆者が作成)  

特に20代の場合、ほとんどの業界では営業マン全体の平均年収を下回ります。

たとえば、dodaの平均年収ランキング最新版にある27種類の営業マン平均年収を参照すると、20代の平均年収が営業マン全体の平均年収である440万円を上回っている業界は、MR(476万円)、医薬品メーカー(486万円)、トイレタリー(462万円)のみ。

つまり若いうちから稼ぎたいと考えている20代の営業マンは、MR、医薬品メーカー、トイレタリーを選ぶべきです。

ただしリース業界のように、20代で431万円と平均年収が高くない業種でも、30代になると平均年収が626万円となり、195万円も上がる業界もあります。

20代と30代の平均年収の差が大きい業界の例

業界 20代 30代 20代と30代の平均年収の差
医療メーカー 486万円 673万円 187万円
MR 476万円 706万円 230万円
リース 431万円 626万円 195万円

(データ引用元:職種別平均年収ランキング【最新版(2019年)】」(doda)をもとに筆者が作成)  

したがって現在の年代の平均年収を見るだけではなく、将来的にも稼げるのかという視点で見ることも重要です。

1-3.勤務地別の営業マン平均年収

ここでは勤務地別の営業マン平均年収について見ていきます。

各勤務地の営業マン平均年収

北海道・東北 412万円
関東 456万円
東海 431万円
北信越 410万円
関西 427万円
中国・四国 421万円
九州・沖縄 412万円

(データ引用元: 「47都道府県別/地方別平均年収情報【最新版(2019年)】」(doda)をもとに筆者が作成

最も年収が高い勤務地は、関東の勤務地(456万円)でした。続いて東海の勤務地(431万円)、関西の勤務地(427万円)という順番でした。

ほかの勤務地と比べると、首都圏・関西圏・名古屋圏の3大都市圏を有するこれらの勤務地が、頭1つ抜けていることがわかります。

逆に年収が低い勤務地は、北信越の勤務地(410万円)、北海道・東北の勤務地(412万円)、九州・沖縄の勤務地(412万円)でした。

もし年収が低い勤務地で働いているけれど、より年収の高い会社で働きたい場合は、思い切って年収が高い勤務地で転職活動をするのも1つの手です。

営業マンの平均年収をほかの職種と比較!

ここからは、営業マンの平均年収がほかの業種と比較してどれぐらい違うのか解説していきます。営業マンとそのほかの業種の平均年収は以下のような結果になっています。

営業マンとそのたの職種の平均年収比較

職種(11種) 平均年収
専門職(コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人) 574万円
企画・管理系 511万円
技術系(電気・電子・機械) 469万円
技術系(IT・通信) 457万円
営業マン 440万円
技術系(建築・土木) 427万円
技術系(メディカル・化学・食品) 409万円
金融系専門職 410万円
クリエイティブ系 377万円
事務・アシスタント系 329万円
販売・サービス系 328万円

(引用元:職種別平均年収ランキング【最新版(2019年)】」(doda)をもとに筆者が作成

営業マンの平均年収は、11職種の中で比較すると、5番目に高く、440万円です。専門職(574万円)や企画・管理系(511万円)よりは年収が低いですが、販売・サービス系(328万円)、技術系(409万円、427万円)の一部の職種と比較すると、平均年収が高い傾向です。

そのため営業マンの仕事は、ほかの職種よりもやや稼ぎやすい仕事であることがわかります。

営業マンの給料どうなっているの?

営業マンの年収は高いと考えている人もいるでしょう。なぜなら、営業職にはインセンティブという制度があるため、成果を出している営業マンほど年収も多くもらっていると考えられているからです。

営業マンの給料は、以下のような項目から構成されています。

営業マンの給料内訳

  • 基本給(+昇給額)
  • ボーナス
  • インセンティブ

それぞれ順番にくわしく解説します。

3-1.営業マンの昇給額は高い

まず営業マンの昇給額が高いのか解説しましょう。昇給額とは、勤続年数や昇格にともない増額される賃金のことです。

ほとんどの企業では、年度が変わる4月のタイミングで給料がアップします。大手転職サイトリクナビNEXTジャーナルの記事によると、中小企業と大手企業では昇給額が異なります。

中小企業と大手企業の昇給率の比較

企業規模 昇給率
中小企業 1.45%
大手企業 2.59%

(引用元:【これって多いの?少ないの?】気になる昇給の平均額について調べてみた|リクナビNEXTジャーナル2015年7月1日更新(最終閲覧日:2020年9月24日)の記事をもとに筆者が作成

たとえば、月に30万円稼いでいる営業マンの場合、勤務先が中小企業であれば、平均4,350円の昇給です。一方で大手企業に勤務している場合は、平均7,770円昇給します。

しかし外資系の企業やベンチャーの企業の場合、独自の昇給制度を取り入れている会社も多くあります。

たとえば筆者が働いていた会社では、勤続年数に応じて毎年およそ6,000円前後ずつ給料がアップしていました。それに加えて、営業成績のがんばりに応じたインセンティブや実績を出すと、給与の水準が上がるしくみでした。そのため、会社で長く勤務しているだけでは、年収が上がりにくかったのです。

このように成果に応じて昇給額が異なる企業もあれば、わずか1回で10,000円以上昇給する企業も存在します。

3-2.営業マンのボーナスはがんばれば数百万円以上もらえる

営業マンのボーナスは、会社の規模や業績・世の中の景気などによって変化しており、ボーナスの回数も年1回〜4回とさまざまです。

そのためボーナスの金額は会社により異なっており、年間で数十万円しかもらえない会社もあれば、数百万円以上もらえる会社もあります。成績が良ければ、ボーナスの金額が高くなる会社もあります。

ただしあなたが良い営業成績を収めたとしても、会社の業績や景気が大きく悪化している場合は、ボーナスは少なくなったり、ボーナス自体がなくなったりすることもあるので注意が必要です。

さらに会社によっては、ボーナス自体を支給していない会社もあります。そのためこれから営業マンとして働くことを考えている場合は、事前にボーナスがある会社なのか調べて転職することをおすすめします。

3-3.インセンティブが支給されることもある

営業成績に応じてインセンティブが支給される会社も多くあります。営業マンの成績の良し悪しで年収が大きく変わるのは、インセンティブの存在があるからです。

インセンティブの代表例は以下の3種類です。

◆インセンティブの代表例

  • 1件の成約ごとに決まった金額がもらえる
  • 契約が成立した金額により数%〜数十%の間でもらえる金額が変わる
  • 毎月、4半期ごとの目標をどのくぐらい達成したかに応じてもらえる

基本的にインセンティブの金額は、取り扱っている商品の価格できまります。そのため、車や住宅といった高い価格帯の商品を販売する会社では、もらえるインセンティブの金額が高くなります。

ただしノルマなどの目標を達成できなければ、インセンティブが支給されない会社もあります。

そのためインセンティブの高さだけで判断するのではなく、自分の実力や設定されたノルマが達成できるのかについて調べておくことが重要です。

なお営業マンの給料について知りたい方は「営業マンの給料はいくら? 平均年収と稼ぐしくみを解説」を読んでみてください。この記事を読まなければ、営業マンとして給料を上げることができないかもしれません。

営業マンが年収を高くする3つの条件

営業マンになる人のなかには、成果を出してバリバリ稼ぎたいと考えている人も多いでしょう。営業マンが年収を高くするためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

◆年収を高くする3つの条件

  • 営業のスキルを上げる
  • 営業マンとしての実績を出す
  • 平均年収が高い業界やインセンティブが充実している会社で働く

なぜなら年収の高い営業マンは、インセンティブが充実している会社や平均年収が高い業界で実績を出しているからです。また営業マンとして高い実績を出すためには、営業のスキルを上げることも不可欠です。以下、年収を上げるためにおこなうべき順番にくわしく解説します。

4-1.営業のスキルを上げる

営業マンとして稼ぐためには、営業のスキルを上げる必要があります。たとえば、以下のようなスキルを日頃からきたえておきましょう。

営業マンがきたえておくべきスキル

ヒアリング力 お客さまが会話しやすい雰囲気を作り、求めていることを正確に聞き出す力
交渉及び提案力 価格の交渉やお客さまが抱えている悩みに対する提案をする力
クロージング お客さまが最後に商品を買うことを決断させる力
課題発見力 お客さまが抱えている悩みや課題などを発見する力

これらのスキルを上げるためには、以下の4つの方法があります。

◆営業スキルを上げるための方法

  • ロールプレイング(顧客と営業側で2人1組になりシミュレーション)をする
  • 営業についての本などで勉強する
  • 商品知識について理解しておく
  • できる営業マンのマネをする

まず営業マンにとって、ロールプレイングの練習は欠かせません。

筆者は内定者を対象とした研修の一環で、セールス研修を受けたことがあります。まだ営業の経験はありませんでしたが、1泊2日でロールプレイングをおこなったところ、話すのが苦手な筆者でも2件の契約をいただくことができました。

またお客さまから商品について聞かれたら、その商品の特徴や使い方について説明できなければ、契約をいただくことは難しくなってしまいます。日頃から、商品の知識について理解しておくことが必要です。

筆者が新卒で入社した会社の社長が「できる営業マンは一番成果を出している人間のマネをしたり、営業のコツを聞いたりしている人が多い傾向がある」と話していました。このことからも、自分だけでどうにかしようとするよりも、できる営業マンのマネをしたり、教えてもらったりした方が営業成績も伸びやすいことがわかります。

ただし、できる営業マンに「教えてください」といっても教えてもらえません。その場合はマネをするために、遠回しに聞いたり、観察したりすることが重要です。

4-2.営業マンとしての実績を出す

営業マンが稼ぐためには実績を出すことが一番です。できる営業マンになるともちろん収入はアップします。しかしただアップするのではなく、上司や同僚、商品を買っていただいたお客さまからも高く評価されるため、収入が2倍以上に増えます。

特に営業成績がボーナスやインセンティブに反映される会社では、大きな年収アップを実現することも可能です。

さらに、良い営業成績を出し続ければ、課長や部長などの管理職に昇格することで、さらに年収アップが狙えます。

4-3.平均年収が高い業界やインセンティブがある会社で働く

年収を手っ取り早く上げるためには、平均年収が高い業界やインセンティブが充実している会社に転職しましょう。なぜならそのような会社では、良い営業成績を出せば出すほど年収が高くなるしくみがあるからです。

また現在働いている会社で既に高い実績があれば、経験したことのない業界でもいきなり高い年収で働くことが可能です。

営業マンとして良い成績を上げているにもかかわらず、年収があまり上がらないと感じているのであれば、年収が高い業界やインセンティブが充実している会社で働くことをおすすめします。

営業マンとしてのがんばりが年収に反映される
会社で働こう

営業マンの平均年収はほかの業界と比べて、やや高い傾向にあります。なぜなら、営業成績に応じてボーナスやインセンティブに反映される会社もあるからです。

したがって、営業スキルに自信がある場合や自分ががんばった分だけ年収に反映してほしいと考えている場合は、営業の仕事に向いているでしょう。

ただし営業マンの年収は、業界・年齢・勤務地によって大きく異なることには注意が必要です。

営業マンとして年収を上げたい場合は、ボーナスやインセンティブが充実している企業や年収が高い業界の企業で働くことをおすすめします。