「営業職のイメージって悪い……」「営業職ってキツそう……」
そう思っていませんか? 実は営業職にはさまざまな種類があり、やりがいもその数だけあります。
本記事では営業のイメージやメリット、デメリット、種類、自分に合った営業職の探し方を幅広く解説します。私はもともと営業が苦手でしたが、自分から売り込みをかける経験をして結果を出したことで、営業職のイメージが変わりました。
この記事を読むと、営業のイメージが180度変わりポジティブになるでしょう。営業職に興味がある方はぜひ参考にしてください。
営業職のイメージとは
ここでは営業を経験したことのない人が抱きやすい営業職のイメージについて、営業を経験した人の体験談や3冊以上の書籍、10個以上のインターネットのデータをもとに紹介します。
1.ノルマが厳しい
営業職と聞くと数字や結果に対するノルマが厳しいイメージがあるのではないでしょうか?
これが、営業職の悪いイメージを引き出している要因ともいえるでしょう。
たとえば私は、インターネットで検索したときに「営業はノルマがキツい」「ストレスのたまる仕事」「数字に追われ続ける」など営業に対する悪いイメージの記事を多く見たため、営業職によくない印象を持ちました。
目標を達成できないと責められたり、プレッシャーをかけられたりといった厳しい世界であることは確かです。実際のデータでも成果が上がらないときに営業がつらいと感じていることがわかります。
引用元
「大変そう」「ノルマが厳しそう」そんなイメージのある営業職ですが、実際はどんなときに辛いと感じるのか、アンケートを実施いたしました。また、調査結果をもとにした、離職率7%を実現した「離職率低減のための組織改革」に関する資料も公開していますので、営業組織エンゲージメントにお困りの方は参考にしてみてください。
また営業職は、会社の商品やサービスを売ることで対価をいただく仕事です。そのため、自分の不本意な商品やサービスを売らなければならないケースも当然あるでしょう。それでも結果は求められるため、ノルマを苦しく感じることもあります。
2.数字に追われている
営業職の仕事の結果とは数字を出すということです。たとえば、不動産営業の場合なら「月に○件成約させてください」、車の営業なら「今年は△△台販売してください」といった数値目標がメーカーや本社から出されます。私の場合は月に10件、新規のお客様を開拓する、月○○円の売上達成といった数値目標を掲げていました。
この目標の数字に日々追われます。もちろんノルマを達成したら、インセンティブがあったり表彰されたり、役職があがったりすることもあります。結果を出すと誰でも評価される世界です。
しかし営業職の世界では、たとえ年下でも結果の出した人が上司になることもあります。
私が勤めていた会社でも同様のことがありました。それが悪いイメージを先行させている原因のひとつでもあるでしょう。
3.低姿勢で人と接する
初めて会う人は営業職によい印象を持ちたがります。そのため営業職には、謙虚さが求められます。できる営業マンは初対面の人と良好な人間関係を築くのが上手です。なぜなら、低姿勢で人と接することを心がけているからです。
高圧的な態度で接する人や、自分が常に会話の主導権を握りたいタイプの人は営業職に向いていないでしょう。そのため営業職と聞くと、頭を下げているイメージがあるのかもしれません。
営業職は最初は悪いイメージに感じることはあっても、徐々に年数を重ねてくるとやりがいが見えてくることもあります。以下の記事では8年以上の営業職経験から得た営業職のやりがいを解説しています。ぜひ参考にしてください。
営業職4つのメリット
ここからは営業職の4つのメリットを実際の体験談やデータをもとにして、メリットの大きい順にそれぞれ解説します。
1.お客様に感謝される仕事
営業職は数ある職種の中でも、圧倒的にお客様に感謝される仕事です。その理由はお客様との距離も近く、接する機会も多いからです。あなたが提案した商品やサービスで、お客様自身やまわりの人も幸せにできます。
たとえば、営業をおこなった製品でお客様の売上げが増え、会社全体がうるおうと自然に感謝の対象は製品を紹介した営業マンに向きます。「君から買って良かった! ありがとう!」とお客様から言われたときは、営業冥利に尽きるでしょう。私自身も自分が営業に向かい、仕事を獲得してお客様から感謝されたときはとてもうれしく感じました。
2.高いコミュニケーション能力が身につく
営業職には提案力やヒアリング力、商談をまとめるなどの高いコミュニケーション能力が求められます。「コミュニケーション能力に自信がない……」というあなたも、営業の仕事を経験するとコミュニケーション能力は身につきますので安心してください。
たとえば、約束の取付けや取引先へのあいさつ回り、商談をとおして「伝える能力」や「ビジネスマナー」が磨かれていきます。私は初対面の人にあいさつをして笑顔で接する能力を身につけて、大きくビジネスの成果が変わりました。コミュニケーション能力は営業職以外の職種においても必須のスキルです。
営業職を通じて高いコミュニケーション能力を身につけておくと、そのあとの人生に大きなアドバンテージとなります。私の場合は特に、対人関係におけるマナーやアポイントの取り方など、そのあとの仕事に活かされています。
3.営業職を経験するとキャリアアップに有利
営業職は数字で評価される業種のため、成果を出すとキャリアアップに有利です。
ノルマがあることは厳しく感じるかもしれませんが、評価基準が明確なため、結果が自分自身の成果に結びついている実感を得られます。これはほかの業種にはない営業職のメリットと言えるでしょう。数字として結果を出すことで、しっかりと評価されるので自信にもなります
その結果、数字を出すと社内はもちろん、ほかの業種にキャリアアップする場合も有利です。営業はコミュニケーションスキルやビジネスマナーなど求められる能力が多いため、経験しておくことで転職のときも高い評価を得られます。
4.幅広い人脈を築ける
社内だけなく、社外にも幅広い人脈を築くことができます。事務職などの場合、どうしてもコミュニケーションは社内の人に限られがちです。営業職は社外の人とのコミュニケーションを取るので、自然と人脈ができていきます。
それ以外にも、初対面の人との会話でコミュニケーションスキルもどんどん磨かれます。特に「話す」スキルだけでなく「聞く」スキルが身につくことで人としても大きく成長できます。
営業職3つのデメリット
ここからは営業職のデメリットについて、実際に営業職で悩みやすい順に解説します。
1.勤務時間が長い
営業職は、お客様が中心の仕事ですので働く時間はどうしても長くなりがちです。たとえば日中、外回りをおこなって定時を過ぎてから社内に帰り、事務仕事をこなしたり、得意先を接待したりと、業務外のつき合いの時間も発生します。
また数字の目標があるので、就業時間を気にせず仕事をしているうちに勤務時間が延びることもあります。
2.経費が高くつく場合がある
営業職は急な出張で交通費やホテル代などの経費が生じます。ときには10万円以上の経費がかかることも。立て替えるとはいえ、負担に感じることもあるでしょう。
経費を精算することで立て替えたお金は戻ってきますが、慣れない間は領収書をもらったり、提出したりすることが面倒に感じるかもしれません。
3.人間関係が重たく感じることもある
取引先とのやり取りや上司からのプレッシャー、同僚との競争などで人間関係が重たく感じることもあります。社外で冷たく当たられらたり、そもそも相手にされなかったりして、我慢が必要な場面も営業職には多く存在します。
そのため、もしあなたが対人関係において打たれ弱かったり、自分の中にストレスをため込みすぎるタイプだったりしたら、営業職をつらく感じるかもしれません。
営業のメリット・デメリットについては、経験者の話をたくさん知ることもよいでしょう。以下の記事ではほかでは語られない実体験にもとづいた赤裸々なメリット・デメリットを紹介しています。ぜひお読みください。
営業職は6種類に分類される
営業職には大きく、新しいお客様を開拓することが中心の営業と得意先を開拓することが中心の営業があります。その中でも個人向けか、法人向けかによっても内容は異なります。
こちらでは以下の6つの営業職の種類について紹介します。
- 新規開拓中心の個人向け営業
- 得意先中心の個人向け営業
- 新規開拓中心の法人向け営業
- 得意先中心の法人向け営業
- システム営業・技術営業
- MR
1.新規開拓中心の個人向け営業職
いわゆる「外回り・飛び込み」と呼ばれる営業スタイルです。まずは自社の製品やサービスのニーズが見込めるお客様を開拓し、満足してもらえる提案をします。新規開拓には訪問販売や電話によるセールスなど業界や商品によってさまざまな営業スタイルがあります。
初対面の人でも動ぜずに対応できる勇気と度胸や、商談をまとめるまでのコミュニケーション能力、交渉力などのスキルが身につきます。商品やサービスのニーズがある新しいお客様を開拓するリサーチ能力も磨かれるでしょう。
<新規開拓中心の個人向け営業職のメリット・デメリット>
メリット | デメリット |
高いコミュニケーション能力が身につく | 慣れるまではたいへんな思いをすることも |
初対面のお客様に対しても動じなくなる | 結果が出ないと風当たりがきつい |
スケジュールを管理する能力が身につく | 何度も断られる |
2.得意先中心の個人向け営業職
新規のお客様を開拓したあと継続的な取引を続けるために、あらゆる提案やフォローをおこなう営業です。そのため、新規開拓が中心の営業スタイルと特徴や業種も同じになります。担当エリアのお客様を定期的に訪問し、継続的なコミュニケーションを取ったり、ときには買い換え時期や周辺商品を提案したりします。
信頼関係を築き上げる力や、お客様のニーズや課題を引き出すヒアリング力が求められます。
<得意先中心の個人向け営業職のメリット・デメリット>
メリット | デメリット |
継続的な人間関係を築く力が身につく | お客様の都合でスケジュールが決まるため土日祝日が仕事になることもある |
提案力が身につく | 関係性を築けないと商品が売れない |
商談をまとめる能力が身につく | 結果を求められる |
3.新規開拓中心の法人向け営業職
初対面の企業に対して、自社の製品やサービスを提案していく営業です。深く自社の製品やサービスについて理解し、ニーズを的確につかむ能力が求められます。法人相手なので、社会人として仕事をしていくために必要な基礎的な力や、商談をまとめる交渉力が求めらます。経験することで自社の製品をアピールして、成約まで粘り強く交渉を続けられる計画力と忍耐力も身につくでしょう。
広告などに代表される無形の商材を扱っている企業が、この営業スタイルの場合が多い傾向にあります。それ以外にも、通信事業や販促ツール・社内管理ツールなどに代表されるITツールの商材など、幅広い業界にアプローチできる商材を扱う企業はこの営業スタイルを取り入れています。
<新規開拓中心の法人向け営業職のメリット・デメリット>
メリット | デメリット |
提案力が身につく | 成約を取るまでに何度も断られる |
商談をまとめる交渉力が身につく | 勤務時間が長くなることがある |
初対面のお客様に対しても動じなくなる | 常に結果を求められる |
4.得意先中心の法人向け営業職
すでに自社の製品やサービスを購入・契約している法人のお客様に対して定期的なコミュニケーションや提案をおこなう仕事です。マーケットの動向や、お客様の課題やニーズを的確に応え続けるリサーチ能力と提案力が求められます。
法人向けの営業は個人向けと比べて、金額や案件の規模が大きい特徴があります。自社の強みや製品、サービスの特徴を深く理解し、商談をまとめる交渉力や法人相手のコミュニケーション能力が身につきます。
<得意先中心の法人向け営業職のメリット・デメリット>
メリット | デメリット |
高いリサーチ能力が身につく | 1件あたりの単価が高いためなかなか成約にはつながりにくい |
提案力が身につく | 成約にいたるまでの忍耐力が求められる |
法人相手の交渉力が身につく | 自社の商品・サービスを熟知している必要がある |
5.システム営業職・技術営業職
技術職の専門知識やバックグランドを活用して、取引先に技術を提案をする営業です。
セールスエンジニアと呼ばれることもあり幅広い商品や、ITシステムの導入をお客様にうながす一方で、技術職と営業職を兼任する場合もあります。
<システム営業職・技術営業職のメリット・デメリット>
メリット | デメリット |
提案力が身につく | ITのスキルだけでなくコミュニケーションスキルも必要 |
エンジニアだけでなく外回りや対人コミュニケーションがあるので気分転換になる | 人間関係のストレスがある |
市場価値が高いため転職しやすい | モノを売る能力が必要 |
6.MR
MRはお医者さんや病院(医療従事者)を相手に、薬の営業をする仕事です。
こちらの内容は私の友人のMR経験者に話を聞きました。
お客さんは個人でも法人でもないので、最初のうちはお医者さんを相手して対等に接するのが難しい仕事です。あわせて、お医者さんとはなかなか会えないため苦労することもあります。
その反面コミュニケーションが取れたときに、医療のパートナーとして信頼してもらえます。
目標設定は厳しめですが、お金の話よりも患者さんの病気を治すことに重きを置いています。
そのため、ビジネス感よりも患者さんのためになっているという社会貢献を感じられる職種です。
また、商品を提案するためには医学についてのふかい知識が求められ、先生よりも先に論文を読んで話せるようになるなどの地道な努力も必要になります。
MRは医療に関するふかい専門知識が必要なことや、お医者さん相手の仕事なので、ほかに紹介した営業職と比べても収入が高くなる傾向にあります。
<MRのメリット・デメリット>
メリット | デメリット |
医療に対して貢献できる | 最初のハードルが高い |
専門的な知識を身につけられる | 高い専門知識の吸収が必要 |
人の役に立てるという社会貢献を感じられる | 収入は高いがストレス値も高い |
自分にぴったりの営業職の種類を知るためには?
これまで紹介してきたように、ひと言「営業」といってもさまざまな種類があります。自分にぴったりの営業職を探すためには「営業する相手」と「取り扱う商材」で選びましょう。たとえば法人向けに営業していくのか、個人を相手に営業するのかでも営業スタイルは変わります。
法人を相手に営業をする場合は企画力や提案力、それをまとめる交渉力が必要です。その一方、個人を相手に営業する場合は、ひとりのお客様の人生に寄り添って商品・サービスを提案する力が必要です。また商材が形あるものなのか、形がないものなのかによっても異なります。
商材が形あるものの場合である程度、市場のニーズがあるお客様のイメージがわかっているなら「企業の得意先営業」が中心となります。形がないものの場合なら、幅広い業界がお客様の対象となるため「企業の新規開拓営業」が中心となるでしょう。
ただしどんな業界でも、営業職には「新規営業」と「得意先営業」が必要になりますので、得意先営業の場合でも新しい製品やサービスのリリースにともない、新規開拓の営業を任されることもあります。新規に契約したお客様に対して継続的なフォローも必要ですので、新規と既存への営業スキルが両方求められます。
<各営業スタイルに必要なスキル>
営業スタイル | 必要なスキル |
個人相手の新規開拓 | 行動力、度胸、忍耐力 |
法人相手の新規開拓 | 提案力、行動力、社会人マナー |
個人相手の既存営業 | 提案力、ヒアリング能力、対人関係スキル |
法人相手の既存営業 | 企画力、提案力、商品提案力 |
最終的に自分に合っている営業職は、OB・OG訪問やインターンを通じて営業職で活躍する自分のイメージをふくらませてください。
営業職はやりがいのあるポジティブな仕事
営業職の最大の特徴は「お客様から感謝される」仕事だということです。人は感謝されたときに、自分のこれまでの努力が認められた感じがして心が満たされます。それが仕事のやりがいや生きがいにつながります。
「君から買うと決めたよ!」
「あなたから商品を買って本当によかった!」
「このサービスのおかげで生活が豊かになった!」
「あなたのおかげで売上げが2倍になった!」
など感謝の言葉はビジネスパーソンとしての自信を高めてくれるでしょう。
「営業職のイメージが良くない……」と思っているあなたに合った営業スタイルを探してみてはいかがでしょうか? きっと自分にぴったりの営業職が見つかりますよ。
営業職に対する悪いイメージは勘違い
営業職はお客様に感謝され、とてもやりがいのある仕事です。ビジネスパーソンとして必要なコミュニケーション能力やビジネスマナーが幅広く身につきます。また、計画力や目標を達成する力も身につくため経験しておくと、どんな業界でも通用する人材になれます。
ぜひ本記事の内容を参考にして、営業職の第一歩を踏み出してください。